終わり続けるグループ

久し振りにここのアンテナを眺めてみたら、飯田圭織さんの卒業でしたね。
最初の五人は全員去り、売り上げで頂点であったLOVEマシーンを知るメンバーはたったの一人。それが今のモーニング娘。です。


モーニング娘。を観ていると、彼女達が人のように思えることがある。
人は生まれた時からずっと同じ身体なのではなく、食べ物を食べゴミを排泄するという循環の中、日々新しい身体になっている。
物質的に言えば、今日食べた物が数日後には身体を構成しているのですからね。
しかしながら、人は自分の身体が去年と今年とで全く違うなんて思いはしない。
成長期だったり、あるいは寿命が近づきやせ衰えている身体を強く自覚しない限り、そんなこと考えない。
循環していることが自分が生きている証拠だと無意識で感じとっているから。
そこにある記憶――去年のことを覚えていること、それがたとえ昨日のことのように鮮明でなくても――が、自分は去年と同じ自分だと思う大きな要素であり、人から記憶が無くなる時の悲しさや不安さは、様々な方法で沢山の作家が表現してきた通り。


モーニング娘。が人に見える時、それは彼女達の中で確かに何かが受け継がれ、記憶されているのを感じた時です。
加入・脱退を繰り返すモーニング娘。
卒業という終わりを悲しむだけではなく、その繰り返し自体に意味を見出すことが、「モーニング娘。」という一つのアトラクションを楽しむコツであると思います。






・・・ま、僕は「あの頃の君は綺麗だったね」と懐古し続ける類の人間ですけれども(苦笑)